電気工事の1人工単価は2.6万円!東京や大阪の地域別相場や単価引き上げ戦略を解説

この記事のポイント
  • 1人工の定義:1人工とは、作業員1人が1日働く労務量の単位
  • 電気工事の1人工単価の最新相場:令和7年3月時点で全国単純平均は約26,300円、東京は32,600円と地域差が大きく、13年連続で上昇傾向にある
  • 単価上昇の背景:電気工事士の人手不足と2024年問題(時間外労働の上限規制)により、今後も1人工単価は上昇し続けると予測される
  • 単価を上げる経営戦略:高単価エリアへの商圏拡大、第一種電気工事士の取得による高圧工事への参入、関連資格を活かしたワンストップ受注が有効
  • 単価を採用力に変える方法:確保した利益を給与や労働環境の改善に投資し、業界特化型求人サイトで電気工事士に直接アピールすることが人材確保のカギ

電気工事の1人工単価は、令和7年3月時点で東京32,600円、全国の単純平均で約26,300円です。

地域や作業内容によって変動しますが、2026年現在、人手不足や2024年問題の影響から電気工事の1人工単価は上昇傾向にあります。

電気工事会社を経営されている方や一人親方の方は、

「自社の単価設定は適正なのか?」

「従業員に払っている給与は相場と比べてどうなのか?」

と不安に感じることがあるのではないでしょうか。特に、慢性的な人手不足の中で、適正な給与を払わなければ人材を確保できないという現実に直面している経営者の方も多いはずです。

適正な単価設定は、現場の収益性を確保するだけではなく、優秀な電気工事士を確保・定着させるために重要なポイントです。

本記事では、1人工の基礎知識から最新の単価相場、戦略的な単価アップと人材採用の方法までを解説します。

この記事でわかること
  • 電気工事における「1人工」の基礎知識
  • 電気工事の1人工単価の相場
  • 作業内容別の施工単価相場
  • 人手不足と2024年問題が1人工単価に与える影響
  • 電気工事の1人工単価を引き上げる経営戦略
  • 1人工単価を上げる際の注意点と法的リスク
  • 適正な1人工単価で人材を確保・定着させる方法

人工にお悩みの電気工事会社の経営者や1人親方の皆様は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

電気工事における「1人工」とは?基礎知識を理解しよう

電気工事の見積書や現場管理で頻繁に使われる「1人工(いちにんく)」は、工事の収益やスケジュール管理を左右する重要な指標です。

まずは、改めて1人工の定義や計算の根拠となる考え方を確認しましょう。

電気工事における「1人工」の基礎知識
  • 1人工(にんく)の定義と意味
  • なぜ「時給」ではなく「人工」で計算するのか?

1人工(にんく)の定義と意味

1人工(にんく)とは、作業員1人が1日(原則8時間)の作業に対する労務量の単位です。

電気工事業界では、作業の進捗を「人数×時間」の積算によって管理します。1人工を出すことで、工事全体の総工数が算出できます。

例えば、同じ工程を、1人で5日かけて行うのと、5人で1日かけて完成させるのとでは、どちらも「5人工の作業量」と換算します。

現場の規模に応じて必要な人数を割り出す際のベースとなるため、独立したばかりの一人親方や経営者にとっては必ず把握しておきたい数字です。

なぜ「時給」ではなく「人工」で計算するのか?

電気工事の現場において「時給」ではなく「人工」で計算する理由は、主に以下の3つです。

■ 時給ではなく人工で計算する理由

  • 工事単位での見積もりと管理がしやすい
    工事ごとに内容や規模が異なるため、「何人で何日かかるか」という単位で計画・管理する方が実務的
  • 作業量の標準化が可能
    標準的な作業手間を数値化した指標「歩掛(ぶがかり)」と組み合わせることで、同じ作業なら誰が行っても同じ工数として計算できる
  • 業界慣習としての日単位契約
    建設業界は日給制での発注・契約が一般的で、人工単位での取引が定着している

この「歩掛」と「人工」を組み合わせることで、以下のようなメリットが生まれます。

■ 歩掛と人工を組み合わせるメリット

  • 高難易度の工事に対し、技術に見合った適正価格を設定できる
  • 特殊な環境(高所や狭所)を考慮した見積もりが作成できる
  • 工事全体に必要なコストを可視化し、予算管理を適正に行える

人工を算出することで、時給制だけでは評価しきれない「技術」や「現場の特殊性」を反映できます。また、人工の仕組みを取り入れれば、作業員の熟練度や作業の危険度に応じた価格設定も可能です。

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【最新データ】電気工事の1人工単価の相場はいくら?

電気工事の費用を算出する際の指標になる1人工単価は、地域や社会情勢の影響を受けて年々変動しています。

2025年の最新相場は、建設業界全体の人材不足や物価高騰を背景に、多くの地域で上昇傾向が続いています。

この章では、最新の調査データに基づいた単価の動向や主要都市の相場について解説します。

電気工事の1人工単価の相場
  • 全国平均と年次推移
  • 地域別の1人工単価一覧

データを参考に、適正価格の発注や見積もり作成の参考にしてみましょう。

全国平均と年次推移

電気工事の1人工単価は、近年上昇傾向にあります。

国土交通省が発表した公共工事設計労務単価によると、電工の全国単純平均は約26,300円です。なお、全職種の全国平均は令和7年3月から24,852円となり、13年連続で引き上げられました

※出典:令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について(国土交通省)

特に令和5年度から令和7年度にかけては、5%以上の高い伸び率を記録しており、賃金改定のスピードが加速しています。背景には、2024年4月から適用された「時間外労働の上限規制」への対応費用が、反映されていると考えられます。

なお、民間工事の1人工単価については、単価の中に諸経費を含めるなど、需給バランスや企業間の交渉によって変動する場合が多いです。

地域別の1人工単価一覧

1人工単価は、地域によって異なります。

東京などの都市部では、物価や賃金水準の高さから高単価になり、地方都市とは日額で5,000円以上の開きが出るケースもあります。

地域別の主要な電気工事の労務単価の目安は、以下のとおりです。

■ 地域別の電気工事の公共工事設計労務単価

都道府県電工の設計労務単価(日額)
東京都32,600円
神奈川県29,800円
千葉県29,700円
大阪府26,600円
愛知県26,400円
福岡県26,500円
北海道27,600円
沖縄県21,600円

※参考:令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について(国土交通省)

東京都は32,600円と全国でも突出して高い単価です。一方で地方へ目を向けると、26,000円前後がボリュームゾーンとなっています。地域ごとの単価のバラつきは、最低賃金の差だけでなく、各エリアにおける労働力の需給バランスも影響しています。

なお、実際の見積もり作成時には、事業主負担の法定福利費や諸経費を別途計上する必要があります。

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作業内容別の施工単価相場

ここまで「1人工」について解説してきましたが、実際の現場や見積もりでは、材料費と工賃をセットにした「施工単価」として提示されるケースがほとんどです。

経営者としては、この「市場の施工単価」から「材料費」を差し引いた金額が、自社に残る「実質的な人工代」に見合っているかを確認する必要があるでしょう。

電気工事の施工単価は、作業の種類や現場の状況によって変動するため、標準的な目安を把握しておくことが重要です。

ここでは、代表的な4つの作業項目の市場相場を紹介します。

作業内容別の施工単価相場
  • 防犯カメラ・センサー設置
  • コンセント・ブレーカー設置
  • 照明器具の取付・交換
  • LAN工事・パソコン配線

これらは「1人工単価」ではなく「工事1件あたりの施工単価」である点に注意してご覧ください。

防犯カメラ・センサー設置

防犯カメラや人感センサーの設置は、機器の性能だけではなく、設置環境が費用に大きく影響します。

一般的な施工相場は3万円〜10万円程度ですが、これにはカメラ本体の価格や配線部材費も含まれます。

防犯カメラ・センサー設置の概要は、以下のとおりです。

■ 防犯カメラ・センサー設置の施工単価目安

項目内容
一般的な相場1台あたり3万円~10万円が目安
高所作業費足場や高所作業車の有無で別途費用が発生
配線工事費屋外配線の距離や保護管の有無で単価が変動
電源確保作業場付近に電源がない場合、新規配線作業で単価が変動

※参考:【2025年】電気工事の相場や発注のポイントを解説(クラウドソーシングTIMES)

カメラを固定する壁面の材質や、映像データを送るためのネットワーク設定の難易度によって、作業時間が増えれば単価も上昇します。

コンセント・ブレーカー設置

コンセントやブレーカーの設置は、日常的に依頼が多い作業です。

新築時の施工や既存の建物への増設では、壁内配線の難易度が異なるため、作業単価にバラつきが生じます。

コンセント・ブレーカー設置の概要は、以下のとおりです。

■ コンセント・ブレーカー設置の施工単価目安

項目相場目安
コンセント増設1ヶ所 1万2,000円~
専用回路増設1回路 1万6,000円~
ブレーカー交換1つあたり5,000円~
分電盤追加1つあたり8,000円~

※参考:【2025年】電気工事の相場や発注のポイントを解説(クラウドソーシングTIMES)

専用回路の増設は、天井裏や床下の隠蔽配線に手間取り、予想以上に時間がかかり「人工がかさむ」場合があります。一律金額で受けると赤字になりやすいため、現場調査に基づいた「歩掛」の見極めが重要です。

照明器具の取付・交換

照明器具の施工単価は、取り付け方法や器具の重量によって段階的に設定されています。

シンプルな器具の交換であれば8,000円程度から可能ですが、特殊な器具や大規模な工事が必要な場合は、単価が上がります。

照明器具の取付・交換の概要は、以下のとおりです。

■ 照明器具取付・交換の施工単価目安

項目内容
直付け照明交換1つあたり8,000円~
ダウンライト設置1つあたり2万円~
重量物取付シャンデリア等は天井の補強工事が別途必要
スイッチ増設1ヶ所 5,000円~

※参考:【2025年】電気工事の相場や発注のポイントを解説(クラウドソーシングTIMES)

高所作業が必要な吹き抜けの照明や、シーリングファン付きの器具は、安全確保のために作業員を増やすことがあります。

LAN工事・パソコン配線

LAN工事やパソコンの配線作業は、一般的な電気工事のスキルに加えて、ネットワークの知識が必要とされるため、1人工あたりの単価が高めに設定されやすい分野です。

LAN工事・パソコン配線の概要は、以下のとおりです。

■ LAN工事・パソコン配線の施工単価目安

項目内容
一般家庭の相場5メートル程度の配線で2万円~
オフィス等の相場10名規模の環境構築で15万円~
特殊な配線工事フロアをまたぐ配管作成や穴あけ作業が別途必要
ネットワーク設定HUBやルーターの通信設定作業が別途必要

※参考:【2025年】電気工事の相場や発注のポイントを解説(クラウドソーシングTIMES)

LAN工事は材料費(LANケーブルやモール)が比較的安価なため、単価の多くを「人工代」として確保しやすい特徴があります。

人手不足と2024年問題が1人工単価に与える影響

建設業界では、人手不足と「2024年問題」と呼ばれる労働規制の強化が影響し、1人工単価を押し上げています。

ここでは、人手不足と2024年問題が、1人工単価や経営に与える影響を解説します。

人手不足と2024年問題が1人工単価に与える影響
  • 電気工事業界の深刻な人手不足の実態
  • 働き方改革(2024年問題)による単価上昇圧力
  • 今後の単価予測と経営への影響

▼あわせて読みたい

人手不足や2024年問題のより詳細な統計データや将来予測については、以下の記事で詳しく解説しています。

電気工事業界の深刻な人手不足の実態

電気工事業界における人手不足は、労働力が足りないという問題だけではなく、有資格者の供給不足に拍車をかけています。

第一種および第二種電気工事士の資格を持つ技術者の高齢化が進む一方で、新規入職者が追いついていない状況です。

経済産業省の調査によると、今後もさらなる電気工事士不足が見込まれます。

■ 第一種電気工事士の需給バランス

第一種電気工事士の需給バランス

※参考:「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について(経済産業省)」を基に作成

第1種電気工事士は高齢者層の退職により、2020年頃から数万人規模の人手不足が生じる見込みです。

■ 第二種電気工事士の需給バランス

第二種電気工事士の需給バランス

※参考:「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について(経済産業省)」を基に作成

第二種電気工事士は、入職者の減少により、2045年に想定需要8.6万人に対し0.3万人程度不足する見込みです。

働き方改革(2024年問題)による単価上昇圧力

2024年4月から建設業に適用された時間外労働の上限規制は、1人工単価の設定に上昇圧力を加えています。

年間の残業時間が360時間に制限されたことで、これまで長時間の労働によって補っていた工事量をこなすためには、より多くの人員を現場へ投入しなければなりません

働き方改革がコストに与える主な変化は、以下のとおりです。

■ 働き方改革によるコスト面の変化

  • 1人あたりの稼働時間が減り、工期を守るための必要人工数が増える
  • 週休2日制の導入で、現場管理費などの間接コストが膨らむ
  • 残業代が減ってしまったため、基本給の底上げが必要になる
  • 工期自体が長期化し、人件費の総額が増える

労働時間の制限により、従来の工期では対応できないケースが増えています。もし無理な工期設定を強行すれば、追加の人員投入が必要になり、人件費が増加する可能性が高いです。

さらに、人手で補えない部分は、業務効率化や設備投資のコストも必要になるでしょう。

今後の単価予測と経営への影響

以上のように、人手不足と働き方改革の影響により、電気工事の1人工単価は今後も上昇し続けると予測されています。

したがって、企業経営においては、上昇する労務コストを見積価格へ転嫁しつつ、優秀な人材を確保し続けなければなりません。

ただし、単価を上げすぎると受注できないリスクが高まり、安価な受注を続けると人材流出の可能性があるため、いずれも会社が存続できません。

市場の動向を注視しながら、技術力に見合った価格交渉を行う必要があります。

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電気工事の1人工単価を引き上げる経営戦略

自社の単価設定が相場に見合っているか不安を感じる場合、単に価格交渉をするだけでなく、「高くても発注される理由」を事業構造に組み込む必要があります

ここでは、1人工単価を底上げするために有効な、3つの経営戦略を解説します。

電気工事の1人工単価を引き上げる経営戦略
  • 「高単価エリア」へ商圏を拡大・シフトする
  • 「第1種電気工事士」取得で、高圧受電設備へ参入する
  • 「関連資格」を組み合わせ、ワンストップ受注で差別化する

「高単価エリア」へ商圏を拡大・シフトする

労務単価が高い地域で仕事を受注することは、短期間で1人工単価を改善させるために有効な手段です。

建設需要が集中する都市部と地方では、公共工事設計労務単価や民間工事の相場に大きな開きがあります。実際に、東京の設計労務単価は32,600円なのに対し、沖縄県では21,600円と1万円以上の差が発生しています。

■ 地域差を活かした受注戦略

項目内容
都市部(高単価エリア)再開発や商業施設などの大規模案件が多く、予算規模が大きいため、強気な単価設定でも通りやすい傾向
地方・郊外(低単価エリア)競合他社との価格競争になりやすく、単価が抑制されがち

需要が高い地域へ活動拠点を広げたり、都市部の元請け業者とのつながりを持ったりすると、同じ作業内容でも手元に残る利益を増やせます。ただし、移動時間が長すぎると稼働率が下がるため、経費と作業時間のバランスが重要です。

「第1種電気工事士」取得で、高圧受電設備へ参入する

第一種電気工事士を保有(または社員に取得奨励)することで、自社で対応できる工事の幅を広げ、より利益率の高い市場へ参入するのも、1人工単価を上げる戦略として有効です。

第二種電気工事士のみでは一般住宅や小規模店舗に限られますが、第一種電気工事士を取得することで、工場やビルなどの「高圧受電設備(キュービクル等)」の工事を受注できるようになります

■ 第一種電気工事士取得による経営上のメリット

  • 単価の向上: 高圧案件は専門性が高く、住宅工事に比べて人工単価が高く設定される傾向
  • 信用の獲得: 上位資格者の在籍は技術力の証明となり、元請け業者に対しての単価交渉材料として有利に働く
  • 競合回避: 参入障壁が低い住宅工事の価格競争から脱却し、技術力で選ばれるポジションを確立

「関連資格」を組み合わせ、ワンストップ受注で差別化する

電気工事単体ではなく、関連設備の工事もまとめて請け負うことで、他社との差別化につながり、1人工単価を上げやすくなります。

発注者にとって「別々の業者に頼む手間が省ける」ことは大きな付加価値となるため、相場以上の単価でも受注しやすくなるでしょう。

特殊な技術や知識が必要になる分野では、発注者側は確実に施工してくれることを重視しているため、相場以上の単価が提示される場合が多いです。特定の領域に特化したスペシャリストとして実績を積むことで、安定した高単価の仕事を受注しやすくなるでしょう。

■ 1人工単価アップに直結する資格と展開例

資格展開できるビジネスモデル
消防設備士「電気+防災」のセット受注
自動火災報知設備などの点検・工事を併せて請け負うことで、1現場あたりの売上高を最大化
認定電気工事従事者簡易高圧工事への対応
自家用電気工作物の簡易工事が可能になり、受注の取りこぼしを防げる
施工管理技士「管理業務」の受注
現場作業だけでなく、施工管理として現場に入れば、体力勝負の労働集約型から脱却し、より高い報酬単価を得られる

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1人工単価を上げる際の注意点と法的リスク

1人工単価を上げる際は、思わぬ法的トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

そのため、値上げ時の注意点や法的リスクを事前に把握しておくことは重要です。

1人工単価を上げる際の注意点と法的リスク
  • 単価アップによる増税リスク
  • 一人親方の常用契約は違法
  • 適正な価格設定とコンプライアンス

各項目について、具体的な注意点を解説します。

単価アップによる増税リスク

1人工あたりの単価が上昇し、年間の売上が増えると、比例して納税額が増加する可能性があります。

具体的に、増える恐れのある税金は下記のとおりです。

■ 増税リスクが考えられる主な税金

項目内容
所得税累進課税方式により、利益が増えるほど税率が上がる
消費税売上1,000万円を超えると課税事業者になる
法人税利益に対して一定の税率で課税される

利益を最大化するには、単価を上げるだけではなく、税理士などの専門家に相談して節税対策を行うことも必要です。

一人親方の常用契約は違法

「常用契約」とは、労働者があらかじめ決められた時間内で労働力を提供し、対価として日当や時間給を受け取る契約形態です。

建設業界でありがちな働き方ですが、一人親方は個人事業主であるため、常用契約で現場に入ることは、労働者と同じ扱いを受ける「偽装一人親方」とみなされるリスクがあります

適正な業務委託として認められるためには、以下の条件を守らなければなりません。

■ 1人親方の重要ポイント

  • 請負契約を締結する
  • 発注者からの作業指示を直接受けない
  • 道具や材料を自分で用意して仕事する

一人親方は「請負契約」を正しく結びましょう。また、契約書の名称だけではなく、現場での実態も1人親方としての働き方になっているか、定期的に確認する必要があります。

適正な価格設定とコンプライアンス

単価交渉では、あまりにも高い単価を設定すると、発注者から敬遠される原因になります。

一方で、業界の相場を無視した低すぎる単価は、赤字や現場の品質低下を招きます。1人工単価を上げる際は発注者との交渉を上手く進めるのも重要です。

■ 単価交渉におけるポイント

項目交渉のポイント
客観的なデータの活用公共工事設計労務単価などの公表資料を活用する
経費の明確化交通費や福利厚生費を含めた積算を行う
定期的な見直し物価変動に合わせて1年に1回は協議の場を設ける

適正な範囲での単価設定は、コンプライアンスを遵守し、健全なサプライチェーンを維持するために必要です。国が推進する「標準労務費」や「労務費転嫁指針」を参考に、客観的な根拠を持って発注者と交渉しましょう。

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適正な1人工単価を「採用力」に変える3つのステップ

単価交渉や経営努力によって「適正な1人工単価」を確保できても、それが現場の職人に還元されなければ、人材は定着せず、人手不足の課題は解決しません。

ここでは、確保した利益をどのようにして「人材確保」と「定着」に結びつけるのか、3つのステップをご紹介します。

適正な1人工単価を「採用力」に変える3つのステップ
  • 【給与】 単価に基づいた根拠ある賃金設定を行う
  • 【環境】 利益を「働きやすさ」へ投資し、選ばれる会社になる
  • 【採用】 整備した条件を「電気工事士が集まる場所」でアピールする

それぞれの視点から、具体的な戦略を解説します。

【給与】 単価に基づいた根拠ある賃金設定を行う

求職者が会社を選ぶ最大の要因は、やはり「給与」です。

どんぶり勘定で給与を決めるのではなく、確保した1人工単価から逆算して、「会社が潰れず、かつ職人が満足するギリギリのライン」を算出することが重要です。

給与原資の算出ステップは以下のとおりです。

■ 給与原資の算出ステップ

  • 1人工単価から「必須経費」を引く
  • 残りを「日給の目安」として設定する
  • 利益を確保しつつ、可能な限り従業員へ還元する

「根拠ある数字」を持つことで、求人票に自信を持って高い給与額を記載できるようになり、他社との差別化が図れます。

【環境】 利益を「働きやすさ」へ投資し、選ばれる会社になる

適正な単価で利益が出せるようになったら、次はそれを「労働環境の改善」に再投資しましょう。

現在の電気工事士の有効求人倍率は非常に高く、給与が良いだけでは人は居つきません。「長く働ける環境」があるかどうかが、採用と定着のカギを握ります。

■ 1人工単価の見直しによって実現すべき投資

  • 休日・休暇の増加: 人員に余裕を持たせ、完全週休2日制を目指す
  • 装備の刷新: 最新の電動工具や空調服を支給し、身体的負担を減らす
  • 安全管理の徹底: 事故リスクを減らし、家族も安心できる職場にする

「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージを払拭するこれらへの投資は、適正な利益があって初めて実現できます。これらが整備されていれば、離職率は下がり、採用時の強力なアピール材料になります。

【採用】 整備した条件を「電気工事士が集まる場所」でアピールする

「適正な給与」と「良い労働環境」が整ったら、最後はそれを「誰に届けるか」が重要です。

どんなに好条件を用意しても、電気工事士が見ていない場所で募集していては意味がありません。専門職である電気工事士を効率的に確保するためには、業界に特化した採用戦略が必要です。

■ 採用媒体ごとのメリット・デメリット

採用媒体メリットデメリット
ハローワーク無料で掲載できる若手や経験者に出会いにくい
総合求人サイト認知度が高い電気工事に関心のない層からの応募が混ざる
業界特化型求人サイト
(例:工事士.com)
有資格者に直接届く総合求人サイトに比べて閲覧数の母数は少ない

「工事士.com」は電気・設備業界特化型の求人サイトです。

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適正な単価設定によって実現した「高待遇」や「働きやすさ」を、その価値が分かる職人にダイレクトに伝えることで、採用コストを抑えながら質の高い人材確保が可能になります。

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  • 電気・設備業界に特化した求人情報のみを掲載
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まとめ

この記事では、電気工事における「1人工」の定義から最新の単価相場、人材を確保・定着させるための戦略について解説しました。

この記事のまとめ
  • 1人工の定義:1人工とは、作業員1人が1日働く労務量の単位
  • 電気工事の1人工単価の最新相場:令和7年3月時点で全国単純平均は約26,300円、東京は32,600円と地域差が大きく、13年連続で上昇傾向にある
  • 単価上昇の背景:電気工事士の人手不足と2024年問題(時間外労働の上限規制)により、今後も1人工単価は上昇し続けると予測される
  • 単価を上げる経営戦略:高単価エリアへの商圏拡大、第一種電気工事士の取得による高圧工事への参入、関連資格を活かしたワンストップ受注が有効
  • 単価を採用力に変える方法:確保した利益を給与や労働環境の改善に投資し、業界特化型求人サイトで電気工事士に直接アピールすることが人材確保のカギ

適正な1人工単価を確保することは、会社の収益性を高めるだけでなく、優秀な電気工事士を採用・定着させるための土台となります。自社の単価設定を見直したうえで、整備した好条件を電気工事士が集まる場所でアピールし、人材確保につなげましょう。

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