ハローワークから採用できるのは1割?その理由3つを解説!

「ハローワークに求人を出しても、以前のように応募が集まらない…」

「応募は来るものの、求めるスキルや意欲を持った人材となかなか出会えない…」

このような採用に関するお悩みは、けっして特別なことではありません。いまや多くの企業にとって、従来のやり方だけでは優秀な人材を確保することが難しい時代になっています。採用活動の拠り所であったハローワークを取り巻く環境も、大きく変化しているのが現状です。

この記事では、なぜハローワークでの採用が厳しくなっているのか、その明確な理由をデータと共に解き明かし、これからの時代に合った効果的な採用手法をご紹介します。

目次

データで見るハローワーク採用が厳しい現状

採用の難しさに関する実感は、データにはっきりと表れています。企業がハローワークに求人を出しても、その大半が採用に結びついていないのが現状です。

厚生労働省によると、2024年におけるハローワーク経由の採用割合は11.6%と、過去最低を記録しました。

これは、出された求人のおよそ9割が、採用という結果に至らずに終わっていることを意味します。

この数字の深刻さは、過去との比較で一層鮮明になります。1960年代半ばには、この採用割合は50%近くに達していました。しかしその後は低下傾向が続き、リーマン危機後の2009年に記録した33.9%をピークに、近年は急激に低下しています。

これらのデータを踏まえると、ハローワークという長年頼りにされてきた採用ルートが、その機能の岐路に立たされていることがわかります。採用戦略を考える上で、この現状を正確に認識することが不可欠です。

ハローワークだけでは採用できない理由

ハローワークは、多くの企業が長年頼りにしてきた採用ルートですが、今や「求人票を出せば人が集まる」という時代ではないことは明らかです。なぜ、このような状況になってしまったのでしょうか。その背景には、大きく3つの理由が存在します。

求人票では「会社の本当の魅力」が伝わりにくい

ハローワークの求人票は、給与や勤務地、休日といった労働条件を伝える上では有効ですが、その形式は厳格に決まっています。そのため、写真や動画を用いて会社の雰囲気や仕事の様子を紹介することは難しく、文字情報だけで勝負しなければなりません。

しかし、求職者、特に意欲の高い人材が本当に知りたいのは、条件面だけではありません。「どんな先輩や仲間と働けるのか」「どんな技術が身につき、どう成長できるのか」「会社の将来性はどうか」といった、リアルな情報こそが応募の決め手となります。

会社ごとの独自の技術力、アットホームな社風、未経験者を一人前に育てる教育体制といった「本当の魅力」が、定型化された求人票のフォーマットでは埋もれてしまいがちなのです。

求職者が仕事を探す「場所」が変わった

最も大きな変化は、求職者が仕事を探す「場所」です。今や、専門的なスキルを持つ多くの働き手が、時間や場所を選ばずに「インターネットやスマートフォン」で仕事を探すのが当たり前の時代です。

実際に、2023年に転職した人のうち、民間企業の求人サイトやエージェントを利用した人は41.9%にのぼる一方、ハローワーク(公共職業安定所)経由は13.9%いう調査結果もあります。

多忙な業務の合間を縫って転職活動をする求職者にとって、平日の日中(8:30〜17:15)にしか訪問できないハローワークは、物理的なハードルが高いと考えられます。

求職者が集まる場所にアプローチできていなければ、当然、応募者と出会う機会も減少してしまいます。

「求める人材」とのミスマッチが拡大している

「応募者の数はゼロではないが、求める人材ではない…」という悩みも深刻です。この背景には、求職者の志向の変化があります。

ハローワークには、いわゆる「ブルーカラー」と呼ばれる現場作業の求人が多く集まる傾向があります。その一方で、大学進学率の上昇などを背景に、求職者の間では「事務職などのホワイトカラー」を志望する人が増えており、需要と供給のミスマッチが拡大しています。結果として、専門的なスキルや現場で働く意欲を持った人材との出会いが、ますます困難になっています。

ハローワーク以外の効果的な採用手法

では、どうすれば求める人材に出会えるのでしょうか。ハローワーク以外の有効な採用手法を3つご紹介します。

自社ホームページやSNSでの発信

自社の採用サイトやSNSは、求人サイトのフォーマットに縛られることなく、写真や動画、社員インタビューなどを用いて、自社の魅力を自由に表現できる強力なツールです。継続的な情報発信は、求職者へのアピールだけでなく、既存社員のエンゲージメント向上や、顧客・取引先からの信頼向上にも繋がります。

求人検索エンジン

Indeedなどに代表される求人検索エンジンは、インターネット上のあらゆる求人情報を集約しているため、非常に多くの求職者の目に触れる機会があります。幅広い年齢層や職種の求職者が利用するため、潜在的な候補者へのアプローチが可能です。

業界特化型求人サイト

募集したい専門分野で人材を探すうえで、効果的なのが「業界特化型求人サイト」です。

サイトの利用者には、特定の資格保有者や現場経験者など、専門スキルを持つ人材が多く登録しています。そもそもその業界で働くことを決めているため、求職者の目的が明確で、仕事への意欲も高い傾向にあります。

これにより、採用における最大の課題である「ミスマッチ」を最小限に抑え、即戦力や将来のコア人材となる優秀な人材に出会える可能性が飛躍的に高まります。

【ハローワークと民間求人サイトの違い】

スクロールできます
ハローワーク民間求人サイト(特に業界特化型)
利用者層地域密着、全年齢・全職種が対象目的意識の高い求職者、若手~中堅が中心
企業アピール定型の書式、文字情報が中心写真、動画、社員インタビューなど多彩な表現が可能
応募の質意欲やスキルのばらつきが大きい傾向業界への関心が高く、ミスマッチが起こりにくい

まとめ

ここまで、ハローワークでの採用が厳しくなっている理由と、その解決策について解説しました。

ハローワークは重要な採用手段の一つですが、それだけに頼る採用活動では、時代の変化に対応しきれなくなっているのが現状です。求職者の行動様式は変化し、会社の「リアルな魅力」を伝えなければ、その他大勢の求人に埋もれてしまいます。

これからの採用を成功させるためには、ハローワーク以外の新たな選択肢を持ち、企業の魅力が最も伝わる場所で、求める人材に的を絞ってアプローチすることです。採用手法をアップデートし、理想の人材との出会いを実現することが求められます。

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この記事を書いた人

電気工事・設備業界に特化した求人サイトの運営を15年以上にわたり行ってまいりました。
長年にわたる業界支援のなかで、採用現場が抱える課題や、企業ごとの採用事情に深く向き合ってきた経験をもとに、コンテンツ制作を行っています。

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