建設業の人材確保に使える助成金6選!失敗しない申請のコツも解説

この記事のポイント
  • 建設事業主が使える助成金は大きく「人材確保等支援助成金」「人材開発支援助成金」「トライアル雇用助成金」の3種類
  • 各助成金に、目的に合わせた様々なコースがあり、計6コース用意されている
  • 申請は「事前準備→計画届の提出→事業実施→支給申請」の4ステップで進める
  • 計画届を出さずに事業を始めると助成金は受け取れないため、提出期限の確認が最重要
  • 不明点があれば、管轄の労働局やハローワーク、社労士に相談するのが確実

厚生労働省が交付する「建設事業主等に対する助成金」は、建設業における人材確保・育成と雇用環境の改善を目的とした制度です。
「建設労働者の雇用環境改善」や「技能向上のための取組み」を行った建設事業主が受給できます。

この助成金をうまく活用すれば、人材の育成や確保・定着を効果的に進められます。

本記事では、建設業で使える助成金の種類と申請方法をわかりやすく解説します。

助成金を活用して職場環境の基盤を強化しつつ、専門人材の採用を効率的に進めることで、持続可能な企業経営が実現できます。

本記事は厚生労働省のホームページを元に作成しています。
実際に申請する際は、必ず管轄の労働局にお問い合わせください。

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助成金を活用した建設業界の人材確保方法や、建設業向けに最大250万円支給される助成金・補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

目次

建設業で人材確保に使える助成金一覧と金額【2025年度版】

建設業向け助成金の主な目的は、人材の「育成」と「確保・定着」です。

助成金は目的に応じて「人材確保等支援助成金」「人材開発支援助成金」「トライアル雇用助成金」の3つに分類されます。それぞれの概要は以下の通りです。

▼人材確保等支援助成金

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支援コース支給要件助成額
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)若年者及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った場合▼経費等助成
・中小建設事業主:対象経費の3/5
・中小建設事業主以外:対象経費の9/20

▼雇用管理に関する研修等受講
・8,550円/日・人

▼賃金向上助成
・支給対象費用の3/20
建設キャリアアップシステム等活用促進コース(雇用管理改善促進事業)建設キャリアアップシステムを活用して雇用管理改善の取り組みを行った場合対象技能者数×16万円
作業員宿舎等設置助成コース (建設分野)女性専用の作業員施設を整備した場合▼経費助成
・対象経費の3/5

▼賃金向上助成
・対象費用の3/20
作業員宿舎、作業員施設や賃貸住宅を整備した場合(石川県限定)▼作業員宿舎
・労働者1人あたり25万円

▼作業員施設及び賃貸住宅
・賃借料等の2/3(上限3万円/月)

▼作業員施設
・賃借料等の2/3

▼人材開発支援助成金

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支援コース支給要件助成額
建設労働者技能実習コース若年者等の育成と熟練技能の維持・向上を図るため、キャリアに応じた技能実習を実施した場合▼経費助成
・20人以下:経費の3/4
・21人以上:経費の7/10

▼賃金助成
・20人以下は8,550円/人・日
・21人以上は7,600円/人・日

▼賃金向上・資格等手当助成
・上記に上乗せ
建設労働者認定訓練コース認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練を実施した場合▼経費助成
・都道府県補助金の対象経費×1/6
建設労働者に対して認定訓練を受講させた場合▼賃金助成
・認定訓練の受講日数×3,800円/人

▼トライアル雇用助成金

支援コース支給要件助成額
若年・女性建設労働者トライアルコース35歳未満や女性を対象として試行雇用を行った場合月額最大4万円×3か月(1人あたり)

これらの助成金は、従業員のキャリア形成と職場環境の改善に有効です。
次のセクションで、それぞれの詳細を見ていきましょう。

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建設業で人材確保に使える各助成金の詳細

ここでは、各助成金の種類と概要について詳しく解説します。

建設業で人材確保に使える各助成金の種類と概要

①人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、若年者や女性の入職・定着促進と、雇用管理の改善を支援する制度です。

人材確保等支援助成金には、以下の3つのコースがあります。

コースごとに申請要件や手続きが異なります。
申請前には厚生労働省のパンフレットや支給要領を確認し、管轄の労働局に相談しておきましょう。

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース」は、若年労働者(35歳未満)と女性が働きやすい職場づくりを支援するコースです。

若年者や女性に対して、建設業への理解促進や技能向上に関わる取り組みを行うと、経費の一部が助成されます。

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項目内容
目的若年者及び女性の入職・定着促進のための職場環境改善
主な対象事業・広報活動:現場見学会、体験学習、インターンシップなど
・訓練:新規入職者への研修会、公的資格への取得に関する講習会など
・雇用管理:雇用管理研修又は職長研修
対象となる経費・講師謝金(部外講師に限る)
・コンサルティング料
・旅費
・受講参加料 など
助成内容▼経費等助成
・中小建設事業主:対象経費の3/5
・中小建設事業主以外:対象経費の9/20

▼雇用管理に関する研修等受講
・8,550円/日・人

▼賃金向上助成
・支給対象費用の3/20
助成上限額合計200万円
(支給申請日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き・事業実施の2か月前までに計画届等の必要書類の提出
・事業開始後、指定時期に支給申請書の提出
出典:若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(厚生労働省)

建設キャリアアップシステム等活用促進コース

建設キャリアアップシステム等活用促進コース」は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を通じて、適正な評価制度の構築や賃金・労働環境の改善を支援するコースです。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などに繋げるシステム
※一般財団法人建設業振興基金が運営

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項目内容
目的CCUSを活用した雇用管理改善・生産性向上・処遇改善
助成対象となる取り組み①全ての建設技能者をCCUSに登録する
②能力評価でレベルアップした者の賃金を5%以上増加させる
助成内容対象技能者数×16万円
助成上限額160万円
(支給申請日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き6か月から2か月前までに計画届等の必要書類の提出
増額改定後の賃金算定期間(12か月)の末日の翌日から起算して、原則2か月以内に支給申請書の提出
出典:建設キャリアアップシステム等活用促進コース(厚生労働省)

作業員宿舎等設置助成コース

作業員宿舎等設置助成コース」は、作業員宿舎等の設置経費を助成するコースです。
女性専用施設の整備や、大規模災害の復旧・復興工事に伴う宿舎設置が対象となります。

▼女性専用作業員施設設置経費助成

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項目内容
目的女性が安心して働ける建設現場づくりの支援
支給対象となる作業員施設設置基準を満たす更衣室、浴室、トイレ、シャワー室
対象となる経費・作業員施設の本体に係る賃借料
・資機材の搬入に係る運搬費
・設置又は据え付け、組立に係る工事費
・設置基礎、付帯設備に係る工事費
・施設ごとに定める備え付け備品費
助成内容▼経費助成
・対象経費の3/5

▼賃金向上助成
・対象費用の3/20
助成上限額合計90万円
(支給申請日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き・事業実施の2週間前までに計画届等の必要書類の提出
・事業開始後、指定時期に支給申請書の提出
出典:作業員宿舎等設置助成コース(厚生労働省)

▼作業員宿舎等経費助成(石川県)

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項目内容
目的能登半島地震の復旧・復興に必要な労働力の確保
支給対象となる作業員施設石川県内の工事現場で賃借により設置する作業員宿舎・賃貸住宅・作業員施設
助成内容▼作業員宿舎
・労働者1人あたり25万円

▼賃貸住宅
・賃借料等の2/3(上限3万円/月)

▼作業員施設
・賃借料等の2/3
助成上限額合計200万円
(支給申請日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き・事業実施の2週間前までに計画届等の必要書類の提出
・事業開始後、指定時期に支給申請書の提出
出典:作業員宿舎等設置助成コース(厚生労働省)

②人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、建設労働者に専門的な技能や知識を習得させる訓練(Off-JT)を実施した場合に、訓練経費と期間中の賃金の一部を助成する制度です。

以下の2つのコースがあります。

人材開発支援助成金の種類と概要

いずれのコースも、訓練実施前に「訓練実施計画届」を労働局に提出し、承認を得る必要があります。
また、助成対象となるのは雇用保険の被保険者に限られます。

建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コース」は、短期間で特定の技能を習得させる訓練を支援するコースです。

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項目内容
目的建設労働者の育成と技能継承
主な対象訓練▼技能講習・特別教育
・労働安全衛生法に基づく技能講習(玉掛け、小型移動式クレーン等)
・特別教育(アーク溶接、低圧電気取扱など)

▼認定基準の確認訓練
・建設業団体の作成した訓練基準に基づき実施する訓練
・登録教習機関の実施する技能講習など
助成内容▼経費助成
・20人以下:経費の3/4
・21人以上:経費の7/10

▼賃金助成
・20人以下は8,550円/人・日
・21人以上は7,600円/人・日

▼賃金向上・資格等手当助成
・上記に上乗せ
助成上限合計500万円
(支給申請年月日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き・技能実習を実施しようとする日の3か月前から原則1週間前までに計画届等の必要書類の提出
・事業開始後、指定時期に支給申請書の提出
出典:建設労働者技能実習コース(厚生労働省)

建設労働者技能実習コースについては、以下の記事で更に詳しく解説しています。

建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コース」は、中長期にわたる専門的・体系的な職業訓練を支援するコースです。

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項目内容
目的認定職業訓練の受講促進と優秀な技能労働者の育成
主な対象訓練都道府県知事の認定を受けた建設事業主団体や職業訓練法人が実施する専門訓練(期間1年以上など)
助成内容▼経費助成
・都道府県補助金の対象経費×1/6

▼賃金助成
・認定訓練の受講日数×3,800円/人
助成上限1,000万円
(支給申請年月日を基準とし、一事業年度(4/1~3/31)あたり)
必要な手続き▼経費助成
・都道府県の精算確定通知後に支給申請

▼賃金助成
・人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の申請期間内に必要書類を提出
出典:建設労働者認定訓練コース(厚生労働省)

③トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)

トライアル雇用助成金には、「若年・女性建設労働者トライアルコース」が設けられています。

若年・女性建設労働者トライアルコース」は、建設分野における若年者(35歳未満)または女性の正規雇用を促進するため、これらの人材を試行的に雇用(トライアル雇用)する事業主に対して助成する制度です。

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項目内容
目的建設分野への若年者及び女性の入職促進、及び雇用のミスマッチ解消
建設事業主の要件・中小建設事業主であること
・トライアル雇用助成金のうち、 「一般トライアルコース 」「障害者トライアルコース」いずれかの支給決定を受けていること
雇い入れる労働者の要件ハローワーク等を通じて雇用する以下の条件を満たす方
・35歳未満の若年者または女性
・建設分野での就職を希望していること
・トライアル雇用の対象となる要件(職業経験、スキルなど)を満たしていること
トライアル雇用期間原則3か月間
助成内容(上限)月額最大4万円×3か月(1人あたり)
必要な手続きトライアル開始日から2週間以内に支給申請書を提出
出典:若年・女性建設労働者トライアルコース(厚生労働省)

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助成金の申請方法を4つのステップで解説

助成金の申請は、基本的に以下の4ステップで進みます。
特に「人材育成」系の助成金では、事業実施前の準備と計画届の提出が重要です。

助成金は年度によって制度や要件、金額が変更されることがあります。
最新かつ確実な情報は、必ず管轄の労働局やハローワークへお問い合わせください。

STEP

申請前の準備(要件確認・書類準備)

助成金を申請するには、まず土台となる準備が必要です。
以下の手順で進めましょう。

項目内容
要件の確認申請するコース(例:建設労働者技能実習コース)について、自社が助成対象となる事業主規模に該当するか、実施予定の訓練・事業が対象に含まれるかを確認します。
雇用管理責任者の選任建設事業主は、原則として雇用管理責任者を選任し、労働局に届け出ておく必要があります。
書類準備計画届に必要な書類(事業計画書、訓練カリキュラム、経費の見積もり、就業規則など)を準備します。
訓練コースの場合は、訓練機関や訓練内容の確認も必要です。
STEP

計画届の提出(申請タイミングと提出先)

助成金を受給するうえで、計画届の提出は最も重要なステップです。

訓練や事業を開始する前の所定期日までに、「事業実施計画」または「訓練実施計画」を労働局に提出しましょう。

計画届を出さずに事業を始めると、原則として助成金は支給されません。

提出先は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局、またはハローワークです。
詳細は各コースの支給要項をご確認ください。

STEP

訓練・事業の実施

計画届が労働局等に承認されたら、計画どおりに訓練や事業を実施しましょう。

以下の書類は支給申請時に必要となるため、担当者は確実に保管してください。

  • 訓練の出勤簿
  • 訓練にかかった経費の領収書
  • 賃金の支払い記録
  • 実施した事業の写真 など
STEP

支給申請と受給までの流れ

訓練や事業が完了したら、助成金の支給申請を行いましょう。

事業完了後、定められた期限内に、実施状況を証明する書類一式を添えて労働局に提出してください。

労働局は提出書類と事業実施の状況をもとに、支給要件を満たしているかを審査します。
支給が決定すると「支給決定通知書」が届き、指定口座に助成金が振り込まれます。

申請方法や受給までの流れの詳細は各コースの支給要項をご確認ください。

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助成金申請で失敗しないための注意点

助成金は資金調達に有効ですが、要件や手続きが複雑なため、不備や認識違いで不支給となるケースも少なくありません。
ここでは、建設事業主が陥りやすい失敗例と回避方法、困ったときの相談先を紹介します。

助成金申請で失敗しないための注意点

助成金申請でよくある失敗例と回避方法

助成金申請でありがちな失敗例と、それを回避するための具体的な方法を表にまとめました。

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失敗例詳細回避方法
計画届の提出忘れ・遅れ訓練や事業を開始した後に計画届を提出した事業実施前に、提出期限を管轄の労働局にあらかじめ確認しておく
対象要件の誤認助成対象となる事業主規模や労働者の雇用形態を満たしていなかった事業実施前に、支給要件を管轄の労働局にあらかじめ確認しておく
証拠書類の不備出勤簿、領収書、賃金支払記録などに漏れや不一致があった計画段階で必要書類のリストを作成し、実施期間中は日付順に厳密にファイリング・保管する
支給申請期限の超過事業完了後、規定の申請期限を過ぎてから申請した計画届に記載した事業完了日を確認し、余裕をもって申請書類の準備に取りかかる
労働関係法令の違反残業代の未払いや社会保険の未加入など、労働関係法令に違反していた助成金申請前に、労働環境の整備と法令遵守を徹底する

困ったときの相談先

助成金の制度や申請手続きで疑問が生じたら、専門機関への相談が確実です。

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相談先役割・相談内容
都道府県労働局助成金制度全般の最新情報、要件、手続きの確認。計画届・支給申請の提出先
ハローワーク(公共職業安定所)雇用促進や人材確保を目的とした助成金(人材確保等支援助成金など)の相談窓口
社会保険労務士(社労士)助成金申請の専門家。申請代行(有料)、書類準備、法令遵守のアドバイスなど実務的なサポートを受けられる
各建設事業主団体所属団体によっては、会員向けに助成金の情報提供や相談支援を実施

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まとめ

この記事では、建設事業主が人材確保に活用できる助成金について紹介しました。

この記事のポイント
  • 建設事業主が使える助成金は大きく「人材確保等支援助成金」「人材開発支援助成金」「トライアル雇用助成金」の3種類
  • 各助成金に、目的に合わせた様々なコースがあり、計6コース用意されている
  • 申請は「事前準備→計画届の提出→事業実施→支給申請」の4ステップで進める
  • 計画届を出さずに事業を始めると助成金は受け取れないため、提出期限の確認が最重要
  • 不明点があれば、管轄の労働局やハローワーク、社労士に相談するのが確実

助成金の活用を検討している方は、まず自社で利用できるコースを管轄の労働局に確認するところから始めてみてください。

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