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小規模事業者持続化補助金は建設業も対象!申請手順や採択率アップのコツを解説

小規模事業者持続化補助金は、工務店や電気工事業者など建設業の小規模事業者が販路開拓・生産性向上に活用できる、返済不要の国の補助金です。

補助率2/3・上限50万円を基本に、特例を組み合わせると最大250万円まで受け取れます。

「人手不足で求人広告費や採用ツールの導入費を捻出する余裕がない」

「新しい工法やサービスを始めたいが、ホームページ制作やチラシ作成にかける予算がない」

こうした悩みを抱える建設業の経営者は少なくありません。日々の現場対応に追われる中、販路開拓や生産性向上のための投資は後回しになりがちです。

しかし、小規模事業者持続化補助金を活用すれば、ホームページ制作・チラシ作成・販路開拓のためのITツール導入費などを、補助率2/3でカバーできます。第17回公募の採択率は51.0%となっており、しっかり準備すれば現実的に受給を狙えます。

本記事では、補助金の基本情報から申請手順・採択率を上げるコツ・建設業の活用事例まで、わかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 小規模事業者持続化補助金とは?
  • 建設業が対象になる条件と補助金額
  • 建設業で使える補助対象経費と活用事例
  • 小規模事業者持続化補助金の申請手順
  • 建設業で採択率を上げるための5つのコツ
  • 建設業の人手不足を根本的に解消するには

補助金の活用と採用強化を同時に進められれば、建設業の持続的な成長に繋げられます。

実際に申請する際は、国や各自治体の最新情報をご確認ください。

目次

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは、工務店や電気工事業者のような建設業の小規模事業者も対象になる、返済不要の国の補助金です。具体的には、ホームページ制作や求人広告の出稿、業務効率化のためのITツール導入など、販路開拓や生産性向上に使った経費の一部が補助されます。

この章では、小規模事業者持続化補助金の仕組みや一人親方でも申請できる条件などについて解説します。

小規模事業者持続化補助金とは
  • 小規模事業者持続化補助金の基本情報
  • 建設業は「製造業その他」に分類される
  • 一人親方・個人事業主も申請できる

申請を前向きに検討している場合、まずは補助金の全体像を把握しましょう。

小規模事業者持続化補助金の基本情報

2014年にスタートした小規模事業者持続化補助金は、地域経済を支える小規模事業者の事業継続と成長を後押しする制度です

申請には商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書」が必要ですが、申請書の書き方について相談に応じてもらえるため、初めて補助金に申請する事業者でも取り組みやすくなっています。

数ある補助金の中でも小規模事業者持続化補助金が選ばれやすいのは、他の補助金と比べて補助率が高く、対象経費の範囲も広いためです。下の比較表のとおり、ものづくり補助金やIT導入補助金は対象経費が設備投資やITツールに限定されがちですが、持続化補助金はホームページ制作・広告費・工具・測量機器の購入まで、幅広い取り組みに活用できます。

■ 小規模事業者持続化補助金とその他の補助金比較

比較項目小規模事業者持続化補助金ものづくり補助金IT導入補助金
対象規模小規模事業者に特化中小企業全般中小企業全般
補助率2/3(赤字事業者は3/4)1/2〜2/31/2〜4/5
対象経費の幅広い(機械・広告・HP等)設備投資中心ITツール限定
申請の手間比較的少ない多い中程度

また、申請の手間が比較的少ない点も、初めて補助金にチャレンジする小規模事業者にとって取り組みやすいポイントです。自社の販路開拓に繋がる多彩な取り組みに、無理なく活用できる補助金と言えます。

建設業は「製造業その他」に分類される

建設業は、小規模事業者持続化補助金の業種分類において「製造業その他」に該当します。この区分では、常時使用する従業員が20人以下の事業者が小規模事業者として認められ、補助金の申請対象になります。

業種別の従業員数要件は、以下のとおりです。

■ 小規模事業者の定義

業種区分常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他(建設業・運輸業など)20人以下

なお、「常時使用する従業員」の判定には、週の労働時間が正社員と同程度のパート・アルバイトもカウントの対象になる場合があるので、注意が必要です。

一人親方・個人事業主も申請できる

一人親方や個人事業主も、小規模事業者持続化補助金の申請対象です。法人と同様に補助金を受け取れるため、従業員を雇っていない一人親方でも、販路開拓や設備導入に活用できます。

申請にあたって押さえておきたい条件は、以下のとおりです。

■ 一人親方・個人事業主の注意点

  • 申請時点ですでに事業を開始していること(開業届の開業日が申請日以前であること)
  • 補助事業が販路開拓、または販路開拓とあわせて行う業務効率化(生産性向上)に繋がる内容であること
  • 商工会または商工会議所から「事業支援計画書(様式4)」の発行を受けること
  • 協同組合・一般社団法人・医療法人など、公募要領で定める対象外法人格での申請はできない(企業組合・協業組合は申請可能)

商工会・商工会議所の会員でない個人事業主でも申請は可能ですが、管轄の窓口を通じて事業支援計画書の発行を依頼する手続きは必要になります。

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建設業の企業が小規模事業者持続化補助金の対象になる条件と補助金額

建設業の企業が小規模事業者持続化補助金の対象になるかどうかは、従業員数と申請枠の2点で決まります。同じ建設業でも、従業員数の条件を満たさなければ対象外となるため、自社が当てはまるかをまず確認する必要があります。

建設業の企業が対象になる条件と補助金額
  • 建設業における従業員数の判定基準
  • 申請枠ごとの補助率と補助上限額
  • インボイス特例・賃金引上げ特例で最大250万円に

ここからは、建設業の企業が対象になる条件と補助金額について解説します。

建設業における従業員数の判定基準

建設業の企業が対象になるための基本要件としては、「常時使用する従業員が20人以下であること」が求められます。

ここで言う「常時使用する従業員」とは、労働基準法第20条に基づき「解雇の予告を必要とする者」を指し、以下に該当する方はカウントに含まれません。

■ 「常時使用する従業員」に含まれない方

  • 会社役員
  • 個人事業主本人および同居の親族従業員
  • (申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員
  • 日々雇い入れられる者
  • 2ヶ月以内の期間を定めて雇用される者
  • 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて雇用される者
  • 所定労働時間が同一の事業所に雇用される「通常の従業員」の所定労働時間に比べて短い者

引用:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第17回公募 参考資料(小規模事業者持続化補助金事務局)

建設業では短期雇用の現場スタッフが多い事業者もいるため、従業員数の判定は実態に合わせて慎重に進める必要があります。特に従業員数が15〜20人前後の事業者は、申請前に管轄の商工会・商工会議所に個別確認することをおすすめします。

申請枠ごとの補助率と補助上限額

対象になる条件を満たした上で、次に確認したいのが補助金額です。補助率と補助上限額は申請する枠によって異なり、2025年度以降の制度では一般型(通常枠)・創業型・共同協業型の3つが設けられています。

特に、建設業の小規模事業者が対象となりやすい2つの枠は下記のとおりです。

■ 一般型(通常枠)・創業型の概要

申請枠補助率補助上限額要件
一般型(通常枠)2/350万円経営計画を作成し販路開拓等に取り組む小規模事業者
創業型2/3200万円産競法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者

※参考:持続化補助金の概要(中小企業庁)

補助金額は「補助対象経費の合計×補助率」で算出され、上限額の範囲内で支給されます。例えば通常枠で、ホームページ制作費・チラシ制作費・測量機器リース料の合計が120万円の場合、120万円×2/3=80万円が算出されますが、通常枠の上限は50万円のため、受け取れる補助金は50万円となります。

インボイス特例・賃金引上げ特例で最大250万円に

通常枠の上限は50万円ですが、インボイス特例・賃金引上げ特例を活用することで最大250万円まで上乗せできます。

各特例の適用条件は、以下のとおりです。

■ 一般型(インボイス特例・賃金引上げ特例)の概要

申請枠上乗せ額特例要件
インボイス特例+50万円免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者
賃金引上げ特例+150万円事業場内最低賃金を50円以上引き上げる小規模事業者

※参考:持続化補助金の概要(中小企業庁)

特例にはメリットがある一方で、補助事業の終了時点で各特例の要件を満たしていない場合、補助金が全額交付されないリスクがあります。特例を活用する際は、補助事業の実施期間中に要件を確実に達成できるか、申請前に十分に検討してください。

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建設業で使える補助対象経費と活用事例

対象になる条件と補助金額を確認したら、次は「実際に何に使えるか」を把握することが重要です。補助対象経費の範囲は意外と広い一方で、申請時に「使えると思っていた経費が対象外だった」というケースも少なくありません。

ここでは、小規模事業者持続化補助金の補助対象経費と、建設業ならではの活用事例について解説します。

建設業で使える補助対象経費と活用事例
  • 補助対象となる8種類の経費一覧
  • 建設業の採択事例

経費の使える・使えないを正確に把握した上で、申請計画を立てましょう。

補助対象となる8種類の経費一覧

小規模事業者持続化補助金の補助対象になる8種類の経費は、いずれも販路開拓または生産性向上に直接繋がる取り組みに限定されます。

各経費の概要は以下のとおりです。

■ 小規模事業者持続化補助金 8種類の経費一覧

経費種類概要対象となる経費例
①機械装置等費補助事業に必要な機械・装置の購入費・ 新たなサービス提供のための製造・試作機械
・ 自動車等車両のうち「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」の「機械及び装置」区分に該当するもの(例:ブルドーザーなど)
②広報費販促物の制作・設置費・ チラシ・カタログの外注や発送
・ 看板作成・設置
・ 販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ)
③ウェブサイト関連費販路開拓等を行うためのHP構築・運用・広告費・ 商品販売のためのウェブサイト作成や更新
・ 顧客管理システムの構築
・ 業務効率化のためのソフトウェア
・販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフトなど)
④展示会等出展費新商品等を展示会・商談会へ出展させるために要する経費・展示会出展の出展料等と関連する運搬費
⑤旅費販路開拓目的の交通費・宿泊費・販路開拓のための展示会等への出展に係る宿泊施設への宿泊代
・バス運賃・電車賃・新幹線料金・航空券代など
⑥新商品開発費新サービス・新商品の試作費・新製品・商品の試作開発用の原材料の購入
・新たな包装パッケージに係るデザイン費用
⑦借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備のリース・レンタル料・新規事業の検証等のために一時的に借りる専用機器のレンタル費用など
⑧委託・外注費①から⑦に該当しない経費であって、自社で対応困難な業務の外注費・利用客向けトイレの改装工事
・従業員の作業導線改善のための従業員作業スペースの改装工事
・インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家への相談費用

※参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局)

各経費はそれぞれ販路開拓や生産性向上との関連性が審査されます。経費の購入・発注は必ず採択後の交付決定通知を受け取ってから進めましょう。

建設業の活用事例を紹介

実際に建設業の小規模事業者が小規模事業者持続化補助金を活用した事例も多くあります。

例えば、下記のような事例です。

■ 建設業の小規模事業者持続化補助金の活用事例

  • 造成業者が小型のユンボを導入し、狭い現場での作業効率の向上を図った。
  • 建設会社が自社のホームページにおいて施工実績・顧客の声ページを強化させることで、販路開拓を行った。
  • 太陽光パネル設置工事のリスティング広告を掲載することで、販路開拓を行った。

いずれの事例も、補助対象経費と自社の販路開拓・生産性向上の取り組みを明確に結びつけている点が共通しています。採択される申請書を作成するには、「この経費によって何がどう変わるか」を具体的に示すことが重要です。

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小規模事業者持続化補助金の申請手順【建設業向け】

小規模事業者持続化補助金の手続きをスムーズに完了させるには、申請から補助金の受給まで、全体の流れを把握した上で準備を進めることが重要です。電子申請システム(jGrants)の利用や商工会議所との連携など、押さえておくべきステップを順に解説します。

小規模事業者持続化補助金の申請手順
  • 申請から補助金受給までの全体の流れ
  • GビズIDプライムアカウントの取得
  • 経営計画書・補助事業計画書の書き方のポイント

GビズIDの取得など、時間がかかる手続きもあるため、公募開始前から動き出すのが良いでしょう。

申請から補助金受給までの全体の流れ

申請から補助金受給までは、以下の10ステップで進みます。

■ 小規模事業者持続化補助金の申請から補助金受給までの流れ

ステップ内容
①GビズID取得jGrants利用に必須のアカウント発行
②計画書作成経営計画書・補助事業計画書の作成
③商工会議所へ発行依頼事業支援計画書の発行依頼
④電子申請jGrantsで必要書類をアップロードして提出
⑤審査・採否決定事務局が書類を審査し採否を通知
⑥見積書等の提出採択後、補助事業で使用する経費の見積書を事務局に提出し、交付申請を行う
⑦交付決定事務局が補助対象経費と補助金額を正式に決定
⑧補助事業の実施交付決定後に発注・購入・工事着手
⑨実績報告書の提出領収書・写真等の証拠書類を提出
⑩補助金の受給確定検査を経て指定口座へ振込

※参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局)

特に注意したいのは、補助事業は交付決定後から始めないと補助対象にならない点です。採択通知が届いても、交付決定前に発注した経費は補助対象外になります。また、実績報告を提出しなければ補助金は受給できない点も注意が必要です。

GビズIDプライムアカウントの取得

GビズIDプライムは、jGrantsで補助金を電子申請するために必要な、デジタル庁運営の事業者向け認証アカウントです。

取得方法はマイナンバーカードの有無で異なります。

申請方法発行期間
オンライン申請(マイナンバーカードあり)最短即日
書類郵送申請(マイナンバーカードなし)約1週間

オンライン申請の手順は、以下のとおりです。

■ GビズIDプライムアカウントの取得手順

  • GビズID公式サイトにアクセスし「GビズIDプライム作成」を選択
  • GビズIDアプリをスマートフォンにインストール
  • 事業者情報を入力し、マイナンバーカードを読み取る
  • 審査完了後、最短即日でアカウントが発行される

書類郵送の場合は、印鑑証明書と申請書をGビズID運用センターへ郵送し、約1週間後に発行されます。なお、GビズIDエントリーでは申請できないため、必ず「プライム」を取得しましょう

経営計画書・補助事業計画書の書き方のポイント

経営計画書・補助事業計画書は、審査の評価を左右する重要な書類です。

特に、建設業では以下の4点を具体的に記載すると良いでしょう。

■ 経営計画書・補助事業計画書 建設業の記載ポイント

記載項目建設業における記載例
自社の強み施工実績年数、資格保有者数
市場環境高齢化による補修工事ニーズの増加
販路開拓の計画施工事例をHPで発信し民間受注を拡大
数値目標新規顧客数を月3件→5件に増やす

審査では「計画の具体性」「実現可能性」「事業効果」の3点が重視されます。販路開拓と設備投資の関連性を計画書内で一体として説明すると、補助対象経費の妥当性が審査員に伝わりやすくなります。

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建設業で小規模事業者持続化補助金採択率を上げるための5つのコツ

小規模事業者持続化補助金は、審査のポイントを理解したうえで計画書を作成することで、採択率を大きく引き上げることができます。

ここからは、建設業で採択率を上げるための5つのコツをご紹介します。

建設業で採択率を上げるための5つのコツ
  1. 販路開拓と生産性向上を明確に結びつける
  2. 建設業ならではの具体的な数値目標を設定する
  3. 審査基準に沿った経営計画書を作成する
  4. 早めに商工会議所へ相談する
  5. 専門家のサポートを活用する

採択率を上げるには、審査基準を正確に把握したうえで、自社の強みと販路開拓の関連性を具体的に示すことが求められます。

1. 販路開拓と生産性向上を明確に結びつける

採択率を上げるためには、計画書において販路開拓と生産性向上を明確に結びつけることが重要です。

補助金の趣旨は「販路開拓」であり、業務効率化(生産性向上)はあくまで販路開拓の取り組みとあわせて行うものと位置づけられています。そのため、設備投資の説明だけでは審査を通過できない恐れがあります。

具体的には、以下のようなストーリー構成を意識しましょう。

■ 採択されやすい計画書のストーリー構成例

項目記載内容例
課題測量に時間がかかり対応できる現場数が限られている
投資内容ドローンを導入して測量作業を効率化する
効果1現場あたりの測量時間を8時間から2時間に短縮する
販路開拓対応可能な現場数が増え、新規顧客を月2件獲得する

設備投資の説明で終わらせず、投資が新規顧客獲得までにどう繋がるかを記載することで、審査員への説得力が上がります。

2. 建設業ならではの具体的な数値目標を設定する

建設業ならではの具体的な数値目標を設定すると、審査員が計画の実現性を評価しやすくなります。

曖昧な表現は不採択に繋がる原因になり得るため、特に以下の3種類の数値を計画書に盛り込みましょう。

■ 具体的に記載すべき数値目標

項目記載内容例
売上目標補助事業実施後1年で売上を前年比15%増にする
新規顧客数月の新規顧客数を3件から5件に増やす
作業時間削減測量作業時間を8時間から2時間に短縮する

数値は「現状→目標値」のセットで示すと、改善幅が明確になります。また、数値の根拠として過去の施工実績データや地域の工事需要統計を計画書の本文中に引用・記載すると、計画の信頼性がさらに高まります。

3. 審査基準に沿った経営計画書を作成する

採択率を左右する最大のポイントは、経営計画書の質です。

どれだけ補助対象経費を正確に積み上げても、計画書の内容が審査基準を満たしていなければ採択には繋がりません。

公募要領には審査基準が明記されており、審査員はこの基準に照らして各申請を評価します。建設業の事業者が意識すべき記載ポイントは以下のとおりです。

■ 計画書の審査基準

審査基準詳細
①自社の経営状況分析・自社の経営状況を適切に把握しているか
・自社の製品・サービスや強みや弱みを適切に把握しているか
②経営方針・目標の妥当性・経営方針と目標は、自社の強みや弱みを踏まえているか
・経営方針と目標は、市場や顧客ニーズを捉えたものになっているか
③補助事業計画の有効性・補助事業計画は具体的で、実現性は高いか
・販路開拓を目指すにあたり、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか
④積算の透明性・補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか
・事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか

※参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局)

また、審査員は建設業の専門家とは限らないため、現場用語には補足説明を添え、誰が読んでも理解できる文章を心がけましょう

4. 早めに商工会議所へ相談する

質の高い経営計画書を仕上げるためには、商工会議所への早めの相談が欠かせません。商工会議所では申請要件のチェックや計画書へのアドバイスを受けられますが、申請締切直前は相談が集中するため、事業支援計画書(様式4)の発行が間に合わない恐れがあります。

様式4の発行受付には締切が設けられており、第19回公募では申請受付締切(2026年4月30日)の約2週間前にあたる2026年4月16日が発行受付締切でした。この期日を過ぎると、いかなる理由があっても発行依頼はできません。

余裕を持って進めるための目安は以下のとおりです。

■ 相談~事業支援計画書発行までの目安

  • 申請締切の2ヶ月前:商工会議所へ初回相談の予約を入れる
  • 申請締切の6週間前:経営計画書・補助事業計画書の初稿を持参して確認を受ける
  • 申請締切の4〜5週間前:修正を完了させ、様式4の発行を依頼する(※発行には通常1〜2週間かかる)
  • 申請締切の2週間前:様式4の発行受付締切(※回により異なる)

計画書の書き方に迷っている段階でも相談を受け付けているため、「ある程度まとまってから行こう」と先延ばしにせず、作成に着手したタイミングで予約を入れることをおすすめします。

5. 専門家のサポートを活用する

商工会議所への相談に加えて、行政書士や中小企業診断士などの専門家サポートを活用することも、採択率を上げる有効な手段です。

特に「初めて補助金申請に取り組む」「経営計画書の書き方に自信がない」「過去に不採択になったことがある」という事業者にとっては、第三者の視点で計画書を整えることが採否を分けるポイントになります。

ただし、一般的に専門家への依頼には費用が発生します。一般的な費用感の目安は以下のとおりです。

■ 補助金申請 専門家によるサポートの相場

  • 着手金:10万〜30万円程度
  • 成功報酬:採択された補助金額の10〜20%程度

費用負担が気になる場合は、国が設置する「よろず支援拠点」(47都道府県に各1ヶ所)への無料相談から始めるのがおすすめです。よろず支援拠点では、補助事業計画書の書き方や事業戦略についてアドバイスを無料で受けられます。

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建設業の人手不足を根本的に解消するには

補助金で設備を整えても、現場を担う人材がいなければ事業の成長は見込めません。建設業の就業者数は1997年のピーク時から約208万人減少しており、人材確保は多くの建設業経営者にとって経営を揺るがす最重要課題のひとつです。

補助金の活用と採用強化は、どちらか一方だけでは不十分です。設備・環境への投資で会社の魅力を高めながら、同時に採用にも取り組むことが、建設業が持続的に成長するための現実的な打ち手です。

ここでは、補助金だけでは解決できない人材確保の課題と、建設業に特化した採用の具体的な方法をご紹介します。

建設業の人手不足を根本的に解消するには
  • 補助金だけでは解決できない人材確保の課題
  • 若手人材の確保には業界特化型求人サイトが有効
  • 電気工事士の採用なら「工事士.com」がおすすめ

補助金だけでは解決できない人材確保の課題

補助金で設備投資を行っても、それを活かせる人材がいなければ本来の効果は得られません。建設業の就業者数は1997年の685万人から2024年には477万人と、約30%減少しました。年齢構成も大きく偏っており、業界全体で若手不足とベテラン層の引退が同時進行しています。

■ 建設業就業者の年齢層

年齢層建設業全産業平均
29歳以下12.0%16.6%
55歳以上35.5%31.2%

※参考:最近の建設業を巡る状況について(国土交通省)

今後10年でベテラン層の大半が現場を離れると予測されており、技術・ノウハウの継承が途絶えるリスクも高まっています。補助金で導入したドローンや測量機器も、操作できる人材がいなければ宝の持ち腐れになりかねません。設備への投資と並行して、採用への取り組みを今すぐ始める必要があります。

若手人材の確保には業界特化型求人サイトが有効

では、どうやって若手人材を確保するのか。

建設業の有効求人倍率は5.34倍に達しており、1人の求職者を複数社が奪い合う状況が続いています。(※参考:一般職業紹介状況(e-Stat)/パート除く、26年4月時点)この環境で採用を成功させるには、最初から建設・電気設備業界への就業を希望する求職者にアプローチできる、業界特化型求人サイトの活用が有効です。

■ 総合型求人サイトと業界特化型求人サイトの特徴比較

比較項目総合型求人サイト業界特化型求人サイト
求職者の業界理解低い高い
専門資格保有者への訴求難しい得意
採用後のミスマッチ起きやすい少ない
掲載費用高め比較的低め

総合型求人サイトは登録者数が多い一方、建設業を希望する求職者の割合は限られます。一方で、業界特化型求人サイトであれば、応募の質が高くミスマッチを抑えられるため、採用コストの効率化にも繋がります。

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まとめ

この記事では、建設業の小規模事業者が小規模事業者持続化補助金を活用するために必要な情報を解説しました。

この記事のまとめ
  • 小規模事業者持続化補助金は返済不要の国の補助金で、建設業は「製造業その他」に分類され、常時使用する従業員が20人以下であれば申請対象となる
  • 補助率2/3・上限50万円を基本に、インボイス特例・賃金引上げ特例を組み合わせると最大250万円まで受け取れる
  • ホームページ制作・チラシ・測量機器リース・3次元CADソフト導入など、建設業ならではの幅広い経費も対象に含まれる
  • 採択率を上げるには、販路開拓との関連性を具体的に示した計画書の作成と、商工会議所への早めの相談が重要
  • 補助金で設備を整えるだけでなく、採用強化と同時に進めることが建設業の持続的な成長に繋がる

小規模事業者持続化補助金は、しっかりと準備を進めれば建設業の小規模事業者でも現実的に受給を狙える補助金です。GビズIDの取得や商工会議所への相談など、時間がかかる手続きもあるため、公募開始前から動き出すことをおすすめします。

一方で、補助金による設備投資だけでは事業の成長に限界があります。建設業の就業者数は1997年から約30%減少しており、若手人材の確保は多くの建設業経営者にとって急務の課題です。

したがって、設備への投資と採用強化を同時に進めることで、補助金の投資効果を最大限に引き出せます。

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