電気工事の利益率の相場は何%?業界データと利益率向上の具体策を解説

電気工事業を営む中で「自社の利益率は適正なのか」「もっと改善できる余地はあるのか」と悩む経営者は少なくありません。
特に2026年時点で、材料費の高騰や慢性的な人材不足により、利益率の確保が難しくなっています。

電気工事業は建設業全体の中でも利益率が高めの水準にありますが、原価管理や工事単価の見直し、採用戦略の工夫によって、さらに改善する余地は十分にあります。

本記事では、電気工事会社の経営者や採用担当者に向けて、業界の平均的な利益率の実態と、利益率を高めるための具体的な取り組みを解説していきます。

今後の経営判断や人材確保の戦略を考える上で、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

電気工事業界の利益率の現状は?業界データから見る実態

日本政策金融公庫が公表している「小企業の経営指標調査」によると、電気工事業の粗利率は47.4%であり、建設業全体(38.9%)と比べて高い水準にあります。

電気工事業と同じ分類である各設備工事業と比べると、次のとおりです。

業種粗利率
電気工事業47.4%
電気通信・信号設置工業47.8%
管工事業(さく井工事業を除く)43.2%
機械器具設置工事業43.5%

他業種と比べても高めの水準ですが、工事ごとに必要となる材料費や人件費が受注時点で確定しづらく、追加工事や資材価格の変動に利益が左右されやすい側面もあります。

さらに、昨今は材料費高騰や人材不足による人件費上昇が利益を圧迫しており、経営環境は厳しさを増しています。

このような状況でも利益を上げている企業の共通点は以下のとおりです。

  • 原価管理を徹底している
  • 自社施工体制を整備し外注費を抑えている
  • DX・ITツールを導入している

自社のポジションや経営の工夫次第で、さらに利益率を引き上げることは可能です。
まずは自社の利益率が業界水準と比べてどの位置にあるのかを把握することから始めてみてください。

電気工事業の利益率の計算方法と種類

電気工事業の利益率を把握するには、「粗利率」「営業利益率」「経常利益率」の3つの指標を理解することが大切です。

電気工事業では材料費や人件費などの変動要素が多いため、特に粗利率の管理が重要です。

粗利率・営業利益率・経常利益率の違いと計算式

利益率と一口に言っても、各数値によって算出方法は異なります。特に電気工事業では、どの利益率を指しているのかを明確にしなければ、正しい経営判断ができません。

一般的に用いられるのは「粗利率」「営業利益率」「経常利益率」の3種類で、意味と計算方法は以下のとおりになります。

スクロールできます
利益率の種類意味計算式
粗利率売上から材料費などを差し引いて、利益がどれだけ残るかの数値(売上高-原価)÷売上高×100
営業利益率売上から人件費や販売費を引いて、利益を出せているかの数値営業利益÷売上高×100
経常利益率事業全体の収益を合わせた「経常利益」の割合を示す数値経常利益÷売上高×100

粗利率は、売上から直接的な原価(材料費・外注費・直接人件費など)を差し引いた「粗利」の割合のことです。
日本政策金融公庫の業種別経営指標によると、電気工事業の粗利率の平均は47.4%程度と示されています。

営業利益率は、粗利から人件費や販売管理費などの間接費を差し引いた「営業利益」の割合です。
電気工事業の営業利益率の平均は、-2.8%にとどまっています。

経常利益率は、営業利益に受取利息や支払利息など金融収支を加減した「経常利益」の割合です。
借入金が多い会社では数値が下がりやすく、資金調達を含めた経営体力を測る目安になります。

自社の強み・弱みを正確に把握するには、複数の指標を組み合わせて分析することが重要です。

電気工事業特有の計算ポイント

電気工事業で利益率を正しく算出するには、材料費・人件費・間接費の区分を明確にすることが欠かせません。

  • 間接費
    事務員の人件費、営業活動費、事務所の家賃や光熱費など。
    工事原価に直結しないため軽視されがちだが、利益率に大きく影響する。
  • 材料費
    ケーブル・配管・スイッチ・照明器具など、工事ごとに直接使う資材費。
    発注時の単価と実際の仕入れ単価に差が出やすいため、定期的に仕入れ先を見直すことが重要。
  • 人件費
    現場で作業する職人の賃金や社会保険料などの直接人件費。
    外注職人に依頼する場合は「外注費」として処理し、外注比率が高い場合は外注先の見直しも検討する。

これらを厳密に仕分けることで、どこにコストがかかっているかが明確になり、改善ポイントを見つけやすくなります。

電気工事業の利益率向上を実現する5つの改善手法

電気工事業の利益率を向上させるには、以下の5つの改善手法が効果的です。

自社の課題に合うものから優先的に取り組んでみてください。

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これらに加えて「採用コストの最適化」も利益率改善に直結します。
詳しくは「電気工事士の採用単価はいくら?採用コストを最適化する4つの実践方法や成功事例を紹介」で解説しています。

材料費削減と調達コスト最適化

電気工事会社が利益率を向上させるには、材料費の削減が効果的です。
材料費は原価の大部分を占めるため、調達方法によって利益率が数%単位で変わることも少なくありません。

具体的な取り組みとしては、以下が挙げられます。

  • 仕入れルートの見直し
    複数の卸会社やメーカーから相見積もりを取る。長期取引による割引交渉も有効
  • 代替製品の選定
    性能・安全性を満たしつつコストを抑えられるメーカー品を比較検討する
  • 仕入れデータの活用
    日々の単価変動を把握し、交渉材料にする

材料費の「見える化」によって仕入れを最適化すれば、安定した利益率確保につながります。

見積精度向上による適正価格受注

電気工事会社が利益率を向上させるには、見積精度を上げることも重要です。
精度の高い見積ができれば適正価格で受注でき、利益率が安定します。
逆に実態と乖離した見積を出すと、工事が進むにつれて原価が膨らみ、赤字化するリスクが高まります。

精度を上げるポイントは以下のとおりです。

  • 過去データの活用
    工事の種類・規模ごとに実際の材料費・工数を蓄積し、次回の見積に反映する
  • 最新単価の反映
    材料価格や外注単価の変動を常にアップデートする仕組みを作る
  • リスク要因の織り込み
    追加工事が発生しやすい改修工事や夜間作業は、余裕を持った原価率で見積もる

これらを仕組み化すれば、担当者による精度のばらつきも抑えられます。

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電気工事見積もりアプリ・ソフトのおすすめは、「電気工事見積もりアプリ・ソフトおすすめ一覧!特徴や価格から無料テンプレートも解説」で詳しく解説しています。

原価管理システム導入による見える化

電気工事会社が利益率を向上させるには、工事ごとの採算を正確に把握することが欠かせません。
原価管理システムを導入すれば、材料費・外注費・人件費をリアルタイムで記録・集計でき、「気づいたら赤字だった」という事態を防げます。

導入のメリットは以下のとおりです。

  • リアルタイム把握
    進行中の工事でも原価率を即座に確認できる
  • 現場からの入力
    スマートフォンやタブレットで資材使用量・工数を入力し、事務所で最新データを確認できる
  • 自動計算
    システムが原価率を自動算出するため、担当者の負担が減る

中小規模の会社でも導入しやすいクラウド型のサービスが増えているため、まずは試験導入から始めてみるのも一つの方法です。

人材活用による生産性向上

電気工事会社が利益率を向上させるには、人材の活用効率を高めることも有効です。
技能の高い人材を適材適所に配置できれば、工事の品質とスピードが向上します。

取り組むべきポイントは3つです。

  • 技能向上
    定期的な社内研修や資格取得支援で現場力を底上げする
  • 配置の最適化
    経験豊富な職人を複雑な工事に、若手を比較的単純な作業に割り当てる
  • 労働時間の管理
    無駄な残業を削減し、業務を標準化して人件費を抑える

利益率が改善すれば給与・待遇に還元でき、優秀な人材の採用・定着にもつながります。
人材確保が生産性向上を生み、さらに利益率が改善するという好循環が期待できます。

DXによる業務効率化

電気工事会社が利益率を向上させるには、事務作業の効率化も欠かせません。電気工事業は現場作業が中心ですが、実際には見積書作成・材料発注・請求処理などの事務作業も多く、これが経営を圧迫する要因になっています。

具体的な活用例は以下のとおりです。

  • 施工管理ソフト
    工事の進捗管理や在庫管理を一元化できる
  • クラウド勤怠管理
    紙の書類処理や入力漏れを削減し、事務コストを抑える
  • スマホでの情報共有
    事務所と現場間の伝達ロスを解消する

人手不足が深刻化する中、事務作業を効率化し、限られた人材を付加価値の高い現場業務に集中させることが利益率向上の鍵となります。

電気工事業の利益率を上げるなら、採用の見直しから

利益率を上げたいなら、採用活動を見直すことが重要です。

腕のいい職人が1人入れば、外注していた仕事を自社で回せるようになり、利益が残りやすくなります。
逆に人手不足が続けば、案件を断って売上を逃したり、少人数で回して残業代がかさんだりと、利益は削られていくでしょう。

ただ、採用したくてもうまくいかない会社が多いのが現実です。

それもそのはず、電気工事士の有効求人倍率は3.81倍となっており、1人の求職者を3〜4社で取り合っている状況です。
しかも有資格者の半数以上が50歳以上のため、今後はさらに採用が難しくなるでしょう。

だからこそ、「どこで採用するか」が重要です。

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まとめ

電気工事業の利益率を高めるポイントは以下のとおりです。

この記事のポイント
  • 電気工事業の粗利率は建設業の中でも高めだが、原価管理次第で差がつく
  • 利益率には「粗利率・営業利益率・経常利益率」があり、それぞれの指標を把握することが大切
  • 利益率向上のための改善策は、材料費削減・見積精度向上・原価管理のシステム化・DX導入など
  • 採用活動も利益率に直結する

利益率の改善は、経営を安定させ、会社を成長させる土台になります。

まずは自社の利益率を把握し、できるところから取り組んでみてください。採用の見直しも、ぜひあわせて検討してみましょう。

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